サンティ・クァットロ・コロナーティ教会 2


一旦教会本堂から中庭に戻り、修道院の扉をくぐります。呼び鈴を鳴らしてちょっとどきどきしながら待つこと数分。
小さな回転式受付扉の向こうに顔を出したシスターに「サン・シルヴェストロ礼拝堂を見学させてください」とお願いすると、受付扉を回転させて喜捨と引き替えにいかにも時代がかった鉄の鍵を手渡されます。つまり完全貸し切り状態!

1246年頃にサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ教会の名義枢機卿であったステファノによって建てられたこの小さな礼拝堂こそ、ちゃおちゃお的には当教会最大の見どころなのです。

床はもうおなじみのコスマーティ模様。ここからもロマネスク期の建築であることがよくわかりますね。

 
ひんやりとしたほのぐらい礼拝堂の壁一面に、キリスト教を公認した大帝コンスタンティヌスにまつわるフレスコ画が描かれています。

   

 

礼拝堂入り口の上の壁には、聖母マリアと洗礼者聖ヨハネ、そして12使徒を両脇に従えて玉座に座ったキリストの「最後の審判」が描かれています。

また、礼拝堂の天井に描かれた十字架と星の模様は、中世イタリアの図像学的には非常にユニークなものだそうです。

 

礼拝堂左側の壁からコンスタンティヌスと聖シルヴェストロの物語が始まります。ところどころ剥落していますが、全体的には保存状態は良好で、まさに絵解きのように一連のエピソードが見て取れます。
 

 

疫病を患ったコンスタンティヌスの夢に聖ペテロと聖パウロが現れ、教皇シルヴェストロ1世によって病を癒されるだろうとのお告げを受けます。帝は当時モンテ・ソラッテの山中で隠者として暮らしていた教皇を探し出し、ローマに呼びます。

これは教皇シルヴェストロ1世がコンスタンティヌスに聖ペテロと聖パウロの肖像画を見せているシーンです。

   

「サンティ・クアットロ・コロナーティ教会 3」

   

「サンティ・クアットロ・コロナーティ教会 1」

   

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