サンティ・クァットロ・コロナーティ教会 1


コロッセオから南東にサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ教会へと向かう途中の小高い丘の上に、中世の要塞のような姿を見せているのがサンティ・クアットロ・コロナーティ教会です。

「王冠をかぶった4聖人」という意味の教会ですが、この4人の聖人については、4世紀初頭のディオクレティアヌス帝の時代に、ローマの神を崇拝することを拒否したために処刑された4人のキリスト教徒のローマ軍兵士という説と、同じ時期にローマの神像を彫ることを拒否したために殉教した4人(一説には5人)の彫刻家たちという説があって、はっきりとはしていません。

4世紀の創建で、9世紀にノルマン人の破壊にあったのを教皇レオーネ4世が再建、さらに12世紀の教皇パスクァーレ2世が修復しました。
ロマネスクの鐘楼の下のアーチをくぐると、かつては教会の身廊だった部分が今は中庭になっています。

要塞のような外見通り、教皇庁のあったラテラーノ宮殿の砦の役割を果たしていましたが、16世紀からはアウグスティノ女子修道会が所有し、現在に至っています。

   

教会内部は三廊式で、列柱は古いものが残っています。

しかし12世紀の装飾があった後陣は、17世紀の修復時にジョヴァンニ・メノッツィ(ジョヴァンニ・ダ・サン・ジョヴァンニ)作の4聖人のフレスコ画に描き換えられてしまったため、教会の外見とは不釣り合いな印象を抱かざるを得ません。

   

この教会の見どころの一つは、左側側廊からつながっている13世紀初頭のキオストロ(中庭つき回廊)です。

いかにもロマネスクらしい愛嬌のある動物の顔の彫刻が施された噴水盤と小さな池、それを取り囲む植物。中世というイメージからは意外に思えるほど明るく開放的でありながら静謐な空間で、修道士(あるいは修道女)たちは何世紀もの間、祈りと瞑想を行ってきたのです。

   
キオストロの左側にはサンタ・バルバラ礼拝堂があります。(写真の小さなランプの下がその入り口)

そこには貴重な9世紀のビザンチン様式の聖母子像のフレスコ画がありますが、小さな礼拝堂内部はかなり暗い上、フレスコ画の褪色や傷みが激しく、撮影はできませんでした。 

 

   

「サンティ・クアットロ・コロナーティ教会 2」

   

「ローマの地図」へ戻る