サン・パオロ・フォリ・レ・ムーラ大聖堂 2


 

1823年の大火災でも焼失せずに現存している作品もいくつかあります。

写真左は1285年にアルノルフォ・ディ・カンビオによりつくられたゴシック様式の天蓋です。その下には聖パウロが葬られていると伝えられていましたが、4世紀の大理石の祭壇の地下には実際に1世紀の墓があることが発掘の結果、判明しています。

また、写真右の復活祭用の大きな燭台は12世紀末のヴァッサレット親子によるロマネスクの傑作です。

   

教会の本堂から回廊つき中庭に出る途中にあった部屋です。キリストや12使徒などのたくさんの聖人が描かれた壁画や天井の様子から、ここも焼失前の古い建物の一部ではないかと思われますが、ガイドブックにはなにも書かれていません。
ここは現在、教会のおみやげ物売り場になっており、人々は全くこの壁画に気づかずに買い物に熱中していました。
   

さて、大火災でも焼失せずにそのまま完全な形で現存しているのは、この回廊つき中庭(キオストロ)です。
サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂と同様、1214年頃にヴァッサレット親子により作られたものです。

この中庭の芝には無数のトカゲがいました。なぜ〜?

   

中庭をぐるりと取り囲む回廊のアーチの上部には、金地をバックに青の文字のモザイクで聖書の言葉が書かれています。左の写真の中央にはキリストを表す「神秘の子羊」のモザイクも見られます。

アーチの下のモザイク装飾の施された八角形やねじれた円柱は、どことなくアラブ風なイメージで、とても華やかです。

   

「サン・パオロ・フォリ・レ・ムーラ大聖堂 1」

   

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