ヴァチカン美術館 1


言うまでもなくヴァチカン美術館は世界最大級の美術館です。

ここは「ピーニャ(松ぼっくり)の中庭」と呼ばれていますが、この松ぼっくりはなんと1〜2世紀に作られたローマ時代の噴水で、8世紀末ごろから旧サン・ピエトロ大聖堂の前庭の中央に置かれていたそうです。それ以前はカンポ・マルツィオの今でもピーニャと呼ばれている地区(現ジェズ教会周辺)の競技場にあったとか・・・。

こういう何気ないものが実はものすごく古かったりするのが、ローマの歴史の深さですね。

この広場では、各国の団体さんが美術館全体の概要を各々の国の言葉で受けています。

   
今までは時間がなくて飛ばしていたエジプト美術館も、今回はゆっくり見られました。

歴代の教皇は競ってエジプトの古代美術を収集したそうです。

お約束のミイラや棺桶のほか、内臓を入れた壺もあります。蓋はアヌビス神やホルス神をかたどっています。

ヴァチカン美術館は古代エジプトの有数のコレクションを有しています。
しかーし、管理人の興味はここにはありません。
先を急ぎましょう。

 

18世紀にシモネッティにより作られた八角形の中庭。ギリシャ時代の彫刻が四方を飾っています。
ヴァチカン美術館の極めて有名な見どころの一つです。

またまた各国の団体さんがガイドに率いられ、簡単な説明を受けた後、あわただしく記念撮影をしては立ち去ってゆきます。

この「チグリス川」はヘレニズム彫刻のハドリアヌス帝時代の模刻で、発見されたときには、右腕と左手が欠けていましたが、ミケランジェロの工房で補完されました。

 

八角形の中庭にあるあまりにも有名な「ラオコーン」の像。

トロイア戦争のおり、トロイの司祭ラオコーンが城内に木馬を入れないように主張したため神罰を受け、その場で子供たちとともに2匹のヘビに絞め殺されたという伝説の一場面。

この像は1506年にティトゥス帝(在位79-81年)の宮殿跡(ネロの黄金宮殿跡の近く)から発見され、ミケランジェロも発掘現場に駆けつけたそうです。
そしてこの群像の表現力は、ミケランジェロにもインスピレーションを与えたほど、たぐいまれなものでした。

   

円形の間。18世紀にこれもシモネッティが造った部屋ですが、パンテオンからインスピレーションを得たと思われる空間です。
円形の間の床を飾るモザイク。ポセイドンをあらわしたものと思われますが、よく判りません。
一体どこからこのようなものを持ってきたのかと調べてみたら、ウンブリアのオトリコーリ浴場のモザイクの床だったようです。

ローマ時代のモザイクは色使いがシックでとても素敵です。(単に色があせているだけという話もある。)

 

「燭台のギャラリー」。このギャラリーもまたまたシモネッティにより造られました。クレメンス13世時代に作られたロッジアを壁でふさいだものです。

通路の両側に大きな燭台の彫刻を置き、間に比較的小ぶりの彫像が収蔵されています。床の色大理石の模様と、両側に配された彫像達のコントラストでいい雰囲気を出しています。こういうところは個人のガイドでも雇ってゆっくり説明を聞いてみたいものです。
   

「ヴァチカン美術館 2」

   

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