サン・シルヴェストロ教会


 

ローマの中心部のメインストリート、トリトーネ通りがコルソ通りと交差する少し手前にサン・シルヴェストロ広場という大きな広場があります。ここはバス・ターミナルにもなっており、すぐ近くには国際電話局・中央郵便局のほか、デパートのリナシェンテなどのお店もあるので1日中にぎやかなところです。

そんな広場の北側にある同名のサン・シルヴェストロ教会は、どの日本のガイドブックにも載っていませんが、かなり古い起源を持つ教会です。
おそらくローマ時代の太陽神の神殿の廃墟の跡に、8世紀の教皇ステファノ2世が建築を始め、次のパオロ1世が完成したとされています。
正式名称はSan Silvestro in Capite(頭の聖シルヴェストロ)教会と言うのですが、これは洗礼者ヨハネの頭の一部を聖遺物として保存していることに由来するようです。

全体的にオレンジ色の建物には、古いバジリカ様式の教会に特徴的な小さな前庭がついています。(写真提供:稲穂さん)

   

管理人の大好きな形の、一見してそれとわかる中世ロマネスク様式の鐘楼。5層式2連の小窓のついた鐘楼は1210年に造られました。
   

単廊式の内部は、主にフランチェスコ・ダ・ヴォルテッラとカルロ・マデルノにより、16世紀に改築されました。大きなアーチ型の天井にはジャチント・ブランディによる「被昇天の聖母と天国」(1683年)のフレスコ画が描かれています。

イギリスの国民教会なので、ミサは英語で行われます。そのためか、フィリピンなどの英語の通じる東洋人の姿が多く見受けられました。(写真提供:稲穂さん)

ガイドブックに載っていなくても、何気なく入った教会が実は古い起源を持っている。イタリアでは、特にローマでは別に珍しくもないことですが、それがまたローマの長い歴史を物語っていて、これだからこそ教会めぐりの興味は尽きません。

   

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